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    • 2021.10.09 Saturday
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    日の丸「ソフトフォン」アメリカに渡る

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      日経BP社様のコラムに少し紹介していますが、2003年にわたしがプロジェクトリーダーに任命され、新製品の開発プロジェクトが発足しました。今では当たり前になりましたが「ソフトフォン」を中心としたソリューション、当時ではイノベーション製品です。

      「ソフトフォン」とは電話、ドキュメント共有、TV会議などができるパソコンのアプリケーションで、当時のトレンドでした。

       

      開発費用も大きく、それはもうがむしゃらに働きました。約一年間の悪戦苦闘、たくさんの方々の協力と支援を頂き、ビジネス的に良い方向に向かい初めたそんな頃、アライアンスを組んでいたパートナーから海外の展示会への出展要請がありました。

       

      会社幹部に相談すると「これまでの努力へのご褒美だ、行ってこい」の2つ返事。内心「まったくご褒美になっていない。。」と思いつつ。

       

      場所はサンノゼで開催されるVON(Voice On the Net)というリアルタイム・コミュニケーション系を中心にした展示会です。

       

      出展が決まったはものの、輸管の手続きやら、該非判定やら、ただでさえ超忙しい最中、更に忙しくなり、てんてこ舞い状態で、サンノゼの展示会場に飛びました。

       

      開催前日朝に会場に入るとあちこちで会場準備が始まっており、しかし準備風景が日本の展示会とまるで違うのです。なんかスケジュール感がないというか。

       

      肝心の出展要請をしたパートナー・ブースは場所が確保されているだけで、ブース設営は自分たちでやることを現地で知りました。そして肝心のパートナーの面々が・・・いません。

       

      昼頃にようやくブース責任者の日系二世の女性Aさんが登場し、事務局から机やら台やら調達して、準備が始まりました。ところが肝心のAさんは突然いなくなり、そのうち面識がないパートナーの男性陣が登場し、サーバなどをセットし始めます。

       

      ようやく日本から持ち込んだ機材を開梱し、サーバのセットが終わったようなのでIPアドレスの払い出しをお願いすると、「OK−」の返事。しかしそのうち男性陣がもめ出し、サーバをいろいろいじくりまわすも一向に解決する様子もなく。

       

      そのうちAさんが大きな花瓶と木の枝や、花などを抱えて戻ってきます。聞くと「私はおばあちゃんから華道を教わった。ブースの装飾にする」と言います。

       

      わたしは手持ち無沙汰で、眺めていると、Aさんは花瓶に、枝、花をそのまま突っ込んで「ハイ終わり」。おいおいおい、これのどこが華道なのじゃ。

       

      わたしはAさんに申し出て昔母に教わったうる覚えの「天、地、人」のお作法で、枝をカッターナイフで剪定したりして、全体を整えました。

       

      Aさんは驚いて、もめている男性陣を引っ張りこんで「Mr.鈴木がやった、すごいよね、これ」と言うなり、サーバトラブルそっちのけで、みんなで私の見事な生け花(?)を褒め称えます。そんなことをしている場合じゃない!

       

      結局、問題は解決せず展示会の開催を迎える羽目になりました。持ち込んだ「ソフトフォン」は機能しないままで説明することに。

       

      「うー、なんじゃ、こりゃ。来た意味はあるのか。。」と凹んでいたら、ABCテレビの取材クルーがブースに立ち寄り、いきなり日の丸「ソフトフォン」の取材になりました。

       

      当然「ソフトフォン」が動かないことを知っているパートナー男性陣は途端取材クルーに30分後にまた来るように交渉をします。そこから猛然と原因究明が始まり、なんと30分後に接続完了。TV取材も無事終えてブーススタッフは大喜び。なんとまあドタバタな初日でした。

       

      期間中は日本の知り合いの会社の人と出会ったり、当時仲の良かったスカイプ日本代表のV氏と遭遇し、雑談をしたり、世界は狭いなーとつくづく感じたものです。

       

      振り返れば、それはそれは貴重な体験の連続な4日間。あながち「ご褒美」は嘘ではありませんでした。

       

      そうそう、ちなみわたしの英語力。中学校1年生、1学期レベルです。むちゃくちゃな忙しさの中とは言え「言語の壁は気合じゃー」とか、やったことがないことは「やっちまえばなんとかなる!」ことを学びました。

       

      帰国して溜まりに溜まった疲れがドバッと出て、倒れたことは言うまでもありません。

       

      さて後日譚です。2004年当時わたしは日経BP社様「ITro」で別のコラムを書いていました。その時のプロデューサはK氏と言いまして、自分から「記者さんと同じ指導をしてください」と申し出て、言葉通り大変厳しい指導をしてくださいました。今でもわたしはK氏を「師匠」と呼んでいます。

       

      今回のブログで紹介した「日の丸『ソフトフォン』アメリカに渡る」は当時K氏にスケルトンで渡したのですが「没」。10年超しのブログでのリベンジです。

       

      読者の皆様におかれてはお読みくださり、本当に感謝申し上げます!


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